女を話の中心に置く

とある日の晩。妻に呼び出された。呼ばれた先は、懐かしい場所。昔よくデートした河川敷。時期も時機だけに、まだやや暑い。

静まり返った場所で、ぽつんと座ってた。遅れてきた俺は、すまんと軽く謝り、隣へ座る。暫し無言。用件が何であるか、それ位把握済み。

そう、夫 ライン 女の事だろう。解っちゃいるさ。自身が犯した罪は。認めちゃ全部が水泡に帰す。何ともしても乗り切らねば。

「夫 ライン 女が居ます。でしょ?認めますよね?」嗚呼やはり、予想通りの質問。ならば予め用意済みの答えを。

「無いな。LINEなど用いた記憶無し…」「…」黙る。失望?構わん。「では、何故こんな写真…撮られた経緯は?」自分と浮気相手が、仲良く映る。

嗚呼、夫 ライン 女から出来た事実ではあるな…。「これも記憶に無いと?」「ありません、はったりだ。夫 ライン 女?どれも根拠ねー推論。でまかせさ、本当」

我ながら下手くそな言い訳。溜息が聞こえた。そんで立ち上がり、背中を向け歩き出す。付いていこうとするが、「来ないで」と一言。追う事出来ず…。